乳がん手術後のリンパ浮腫のケアについて
 乳がんの手術後に「腕にむくみ」が出ることがあります。これは手術や放射線治療の影響で、リンパ液の流れが悪くなり、皮下に余計なリンパ液がたまった状態です。これをリンパ浮腫といいます。
むくみがでる時期は、手術後まもない時期や数ヶ月後、数年後と個人差があります。

 むくみがあると、日常生活は大変不自由になります。患者様が、自己流に皮膚を強くマッサージしたり、もんだりすることで症状が悪化し、つらい体験をしている方々にも出会います。

 当院では、乳がん看護委員会の看護師が中心となり、リンパ浮腫について学習をしています。約2年間かけて「なぜ、むくみがでるのか?」「どのようにケアをすればいいのか」についてわかりやすいパンフレットを作成しました。

 現在は、パンフレットを用いて、外来通院中の患者さんと一緒に、ケアについて話をしながら、患者さんが自宅でマッサージできるように手助けをさせてもらっています。

 最近、自宅でむくみのケアができるようになった方々が笑顔で「少しだけど良くなった」「できるかどうか心配だったけど、ゆっくり時間をかけてやっている」と報告して下さることがありました。

 リンパ浮腫で困っている方々が、むくみについて正しく理解して、自分でケアできるように、外来および病棟の看護師間で連携してがんばっていきたいと思っています。